東京マイスター　18

いつもベストで
木工塗装技能士　金子（かねこ）　雅一（まさいち）さん（平成17年度受賞）

　｢古いものが、新品みたいに元に戻ったと、お客様に喜んでもらえるのが何よりのやりがい｣という金子雅一さん。木工塗装は、取り付け家具などで使用する木材を補強し、磨き上げることで、素材の美しさを惹きたてる作業。白木が多い日本独特の技術だ。
　職人の街、荒川区の尾久に生まれ育った金子さん。高校卒業後、デザイン学校に入学し、木目の基礎を学んだ。その後は、約2年間にわたって、7人の親方に付いて修行し、明治時代から140年以上続く父親の木工塗装店を継いだ。
　金子さんは、スプレー塗装が主流の中、たんぽずりと呼ばれる伝統技術で、塗装面を磨き上げる。たんぽずりは、木綿わたを綿のサラシで包んだたんぽで、少なくとも7〜8回、表面を重ね塗りをしていくものだ。自分の顔が反射するほどに鏡面が磨かれ、塗装膜の耐久性が高くなるといった良さがある。今では貴重なこの技術を絶やさないために、若い人たちにもノウハウを伝え続けている。
　仕事をする上でのモットーは｢ミスをせずに、遅くてもいいから丁寧な仕事をすること｣。師匠である父親からの教えで、弟子たちにも継承している。急いで早く仕上げても失敗すれば、修正に倍の時間がかかるため、間違えのない正確なものづくりを大切にしてきた。
　座右の銘は｢いつもベスト｣。体調管理も含め、常に最良の健康状態で、最高のものを提供する。47年間の職人人生で培った、職業人としてのシンプルな極意が、この言葉に集約されている。

（キャプション：オリジナルの道具で、蒔絵（まきえ）のようにラメを振り撒き、机を装飾していく。）

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